コラム

大規模修繕で外壁塗装を行う目的とは?補修が必要な劣化・塗料ごとの耐用年数は?

2024年12月23日

大規模修繕で外壁塗装を行う目的とは?補修が必要な劣化・塗料ごとの耐用年数は?

大規模修繕の中でも、一番大掛かりな工事となるのが外壁塗装です。

この外壁塗装は施工範囲が広く、建物の周りに足場を設置することもあり、費用が高額になるケースも多くあります。そのため、「今回の大規模修繕では本当に外壁塗装を行うべきか」「できるだけ耐久性のある塗料はどれか」など、修繕工事に関する悩みを抱えているマンションオーナー様も少なくないのではないでしょうか?

そこで今回は、大規模修繕における外壁塗装の目的をまとめるとともに、修繕工事が必要となる劣化の程度や外壁塗装に使用する塗料の種類・耐用年数について解説していきます。これから大規模修繕を迎えるマンションオーナー様の参考になる内容となっていますので、ぜひ参考にご覧ください。

大規模修繕における外壁塗装の目的・重要性

マンションやビルなどの建物は、時を経るごとに徐々に経年劣化してしまうため、定期的に「大規模修繕」を行う必要があります。

大規模修繕では、主に共用部分の劣化の補修や古くなった設備の取替作業などを行いますが、中でも建物に足場を設置するなどで工事規模が大きくなりやすいのが外壁塗装です。この外壁塗装には、一体どのような目的があるのでしょうか?その重要性についてまとめていきます。

マンション性能の維持・回復

雨風や紫外線にさらされているマンションやビルなどの建物の外壁は、塗装が劣化していくと、塗装の浮きやひび割れなどが生じることがあります。そして、そのひび割れや塗装が剥がれ落ちた部分から雨水が侵入してしまうと、内部の鉄筋が錆びてしまい、結果的に建物自体の耐久性が低下してしまいます。

マンション本来の性能を回復し、建物自体の防水性や耐久性を維持するためには、定期的に行う大規模修繕の際に外壁を塗装し直すことが重要なのです。

安全性の向上

外壁塗装を行う目的には、事故防止や安全性の向上というものもあります。

例えば、外壁の経年劣化によって塗装やタイルなどの外壁材に浮きや反りが発生すると、それらが剥がれ落ちて通行人にけがを負わせてしまう可能性もあります。建物側の管理不行き届きで事故が起きてしまった場合は、賠償責任はもちろん、マンション自体の市場価値にも影響してくるため、安全性を維持・向上する意味でも外壁塗装が重要となります。

美観の維持・向上

外壁塗装を行う目的には、マンションの美観の維持・向上も含まれます。

マンションやビルなどの建物の外壁にひびが入っていたりタイルが剥がれ落ちていたりすると、その外観の印象から、古めかしい、または、あまり管理が行き届いていない…などというイメージを持たれてしまいます。つまり、外壁に劣化が見られる建物は世間からの印象が悪くなってしまい、それが入居率にも影響してしまうのです。

定期的に外壁塗装を行い、建物の美観を維持・向上させることが、結果的に建物自体の資産価値を維持することにもつながります。

関連記事:「12年・15年・18年?マンションにおける大規模修繕工事の周期はどれぐらい?

大規模修繕で外壁補修が必要な劣化具合は?

大規模修繕で外壁補修が必要な劣化具合:チョーキング

大規模修繕では、事前に建物調査診断によって劣化具合を確認し、補修が必要な箇所を洗い出した上で修繕計画を立てていきます。

外壁塗装の場合、経年劣化によってひび割れ(クラック)や塗膜剥離、チョーキング現象、露筋といった症状が発生することがあります。もし、事前の建物調査診断でこのような症状が見られる場合は、外壁の補修工事を検討しましょう。

塗装の変色・色褪せ

外壁塗装は5年10年と時を経るごとに、徐々に塗膜の艶が落ちたり色が褪せてきたりしますが、これらは、紫外線や酸性雨などが原因となって起こるもの。

建物の壁面ごとに色が違う、また部分的に変色してしまっている場合などには、この段階で外壁塗装工事を行うと良いでしょう。

チョーキング現象

手で触った時に、黒板に使うチョークのような白い粉が付いてしまう現象をチョーキング現象と言います。このチョーキング現象が生じるのは、主に雨や紫外線による経年劣化が原因です。

チョーキング現象が起こるということは、塗料の耐久性が低下しているということ。外壁にチョーキング現象が見られた際には、早めに補修するのが望ましいでしょう。

ひび割れ(クラック)

外壁の塗装面にクラックと呼ばれるひび割れが発生している際も、その程度によって外壁塗装工事を検討した方が良いでしょう。

例えば、ひび割れが幅0.3mm未満であれば、応急処置的な補修か、ひとまず経過観察で問題ないと言われています。しかし、小さなひび割れが時間の経過とともに大きくなってしまうと、躯体に雨水が浸透し、雨漏りやカビの発生が考えられるほか、建物自体の寿命を削ってしまう可能性もあります。劣化の進行を遅らせ、建物の寿命を延ばすには、できるだけ早めの対応をおすすめします。

塗膜の剥がれ

外壁の塗膜がはがれている場合も、外壁塗装工事の検討が必要です。

塗膜の剥がれを放置していると、クラックと同様に雨水の侵入を許してしまうため防水性が低下し、雨漏りや躯体の劣化原因となってしまいます。塗膜が一度剥がれ始めると、そこから徐々に剥がれる面積が広がっていきますので、状況を見極めて早い段階で補修した方が良いでしょう。

なお、塗装の剥がれについては、こちらの「外壁塗装の剥がれを放置すると?原因・補修方法・費用相場を解説」でも詳しく解説しています。

露筋

露筋とは、建物に使われている鉄筋が露出している状態のことを指します。

露筋は、コンクリートの内部にある鉄筋部分が腐食して変形することで起こります。この露筋が高層マンションなどで発生してしまうと、鉄筋の変形によって押し出されたコンクリートが剥落して通行人にあたるという事故も考えられるため、早急な補修工事が必要となります。

鉄部の錆

外階段や扉などの鉄部の錆も外壁塗装の劣化に影響します。

鉄部に錆が発生すると、雨に流されて外壁にも流れ着いてしまいます。錆が流れてくると、非金属面であっても錆び汚れが発生してしまい、そのまま定着してしまう可能性もあります。さらに、流れ着いた先が鉄部や露筋してしまっている部分だった場合、腐食を進めてしまう可能性も。鉄部の錆は、建物の美観を損なうだけでなく寿命を縮めてしまうことにもつながりますので、早めの対応が必要です。

関連記事:「外壁塗装をしないとどうなる?劣化を放置することで生じる問題点

大規模修繕で外壁塗装に使用する塗料の種類と耐用年数

大規模修繕で外壁塗装に使用する塗料の種類と耐用年数

大規模修繕で外壁塗装に使用する塗料にはさまざまな種類のものがありますが、塗料の特性や性能によって耐久性も異なります。

ここからは、外壁塗装に使われる代表的な塗料の種類と特徴についてまとめていきます。あらかじめこれらの塗料の性質を把握しておくことで、大規模修繕計画にも役立ちますので、参考にご覧ください。

塗料の種類耐用年数の目安特徴
アクリル塗料4年~8年約1,500円/㎡前後色が豊富、安価、耐用年数が短い
ウレタン塗料7年~10年約1,500~2,000円/㎡高い密着性、安定した耐久性
シリコン塗料7年~15年約2,500~3,500円/㎡高い防水性と防汚性、最も多く採用されている塗料
ラジカル制御塗料12~16年約2,000円~4,000円/㎡チョーキング現象が起きにくい
フッ素塗料15年~20年約4,000~6,000円/㎡優れた耐久性・耐候性

アクリル塗料

アクリル塗料は、色の種類が豊富で発色が良く、重ね塗りがしやすいのが特徴です。

施工費用は1平方メートルあたり1,500円前後と、比較的安価ではありますが、耐用年数が4年~8年と短いため、最近では、このアクリル塗料が使われることは少なくなっています。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は密着性が高く、ウレタン樹脂が持つ弾性でひび割れを起こしにくいなど、アクリル塗料よりも耐久性が安定しているのが特徴です。

施工費用も1平方メートルあたり1,500~2,000円程度とコストパフォーマンスにも優れており、色数も豊富。ただ最近では、より耐久性のある塗料が次々と出てきたため、アクリル塗料と同様にあまり使われなくなってきています。

シリコン塗料

現在、外壁塗装で最も多く採用されているのが、このシリコン塗料です。耐用年数が7年~15年と長く、1平方メートルあたり2,500~3,500円とそれほど高額ではないため、価格と耐用年数のバランスが非常に良い塗料となっています。

他の塗料と比べてやや弾性が低いですが、防水性に優れているほか、汚れがつきにくいのがメリット。特に外壁や屋上・屋根に適した塗料だと言えます。

ラジカル制御塗料

ラジカル制御塗料とは、塗料の劣化原因となる「ラジカル(※1)」の発生を抑制する塗料のこと。このラジカル制御塗料には、塗料の劣化によって生じるチョーキング現象が起きにくいという特性があります。

アクリル・シリコン・無機ハイブリットなどの種類があり、それぞれで価格も耐用年数も異なりますが、耐用年数は12~16年程度、1平方メートルあたりの費用は2,000円~4,000円程度が目安となっています。

(※1)ラジカル:紫外線が塗料に含まれている白色顔料にあたることで発生するエネルギーのこと。塗料の分解を促すため劣化の原因となる。

フッ素塗料

フッ素塗装とは、その名の通りフッ素樹脂(原料:蛍石)を使用した塗料のことです。

耐用年数は15年~20年程度、1平方メートルあたりの費用は4,000~6,000円と高額ですが、優れた耐久性・耐候性を持っているのが特徴。紫外線・雨水・温度変化・酸化などに強いため、住宅用マンションだけでなく、ビルやタワーなどの大型建造物にも使用されています。

関連記事:「外壁の塗り替え費用の相場は?塗料の種類・安くするコツは

大規模修繕で外壁塗装を行う際の注意点

大規模修繕の中でも大きな割合を占める外壁塗装。この外壁塗装を実施するにあたっては、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?

塗料は目的と予算に合わせて選ぶ

外壁に使用する塗料には、今回ご紹介したもの以外にもさまざまな特性を持ったものが存在します。

耐用年数が長くなればなるほど、費用も上がりますが、必ずしも高価なものが自社の建物に最適だとは限りません。塗料が持つ機能性や資材との相性、予算や大規模修繕工事の周期とあわせて検討することが大切です。

信頼できる施工業者を選ぶ

大規模修繕において外壁塗装を効率的に進めるため、また外壁塗装の寿命を長く保つためには、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

施工業者によっては知識や技術力が十分でなかったり、ひどい場合だと、既定の塗布量を守らない業者も存在します。ですので、大規模修繕の施工会社を選ぶ際には、信頼できるかどうかを見極めるためにも、以下のような特徴があるかどうか確認しておきましょう。

  • 施工実績は十分にあるか
  • 十分な外壁診断を行っているか
  • 見積書の工事項目が詳細に記載されているか
  • 工事のメリットだけでなく、デメリットの説明もあるか
  • 塗料の商品名が記載されているか
  • 下塗り、中塗り、上塗りがされているか
  • 自分の伝えた希望が盛り込まれているか

また、外壁塗装は一度だけでなく定期的に行う必要があります。そのため、予算に合わせた提案や将来のメンテナンス計画までを考慮した提案ができるなど、豊富な経験をもとに長期的なスパンで提案してくれる外壁塗装の専門業者を選ぶのがおすすめです。

関連記事:「外壁塗装の時期が10~15年の理由は?塗装ができない6つの条件

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今回は、大規模修繕における外壁塗装の目的について解説してきました。外壁塗装は、外部環境によってメンテナンスや補修工事がたびたび発生するため、長期的な付き合いができる優良業者に依頼することが、建物を長く安全に保つことにつながります。

私たち「白鳳」は、施工実績6,000件以上の大規模修繕工事専門店です。

これまでの豊富な現場経験を元に、お客様のご希望に寄り添った大規模修繕工事を実現します。ご相談は無料となっておりますので、大規模修繕・外壁塗装でお悩みのマンションオーナー様はぜひ一度お問い合わせください。

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