マンションの外壁塗装工事はいつする?工事期間・費用の相場を解説
2021年10月11日
マンションの外壁塗装工事は、「美観を保つ」「建物の劣化を防ぐ」ために行います。
そんな外壁塗装工事の時期は、約12年に一度のペースで行う大規模修繕工事で実施するのが一般的ですが、外壁の劣化状況を踏まえて、補修工事などのメンテナンスを適宜行う必要があります。
この記事では、マンションの外壁塗装工事を検討する時期や、工事の期間、費用の相場について解説します。また外壁塗装工事でよく起きるトラブルについてもまとめているので、事前に対策を講じておきましょう。
<目次>
マンションの外壁塗装工事をする目的は?
マンションの外壁塗装工事は、美観を保つために行うと思われがちですが、建物の劣化を防ぐための目的もあります。
そもそも外壁は、紫外線や雨などの外的影響を受けやすく、劣化しやすい場所ですが、その外壁に塗料を塗布し、塗膜を作ることで、雨などから建物を守る役割を担っています。
しかし、塗料には寿命があるため、塗料の耐久性を高め、防水性能を維持するべく、塗装工事が適宜必要となるのです。
マンションの外壁塗装工事はいつする?
マンションの外壁塗装工事の時期は、建物全体の修繕を行う「大規模修繕工事のタイミング」で実施する場合が一般的です。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインによると、「外壁塗装」に関する工事は12年を目安に行うとしています。
また、国土交通省のマンション大規模修繕工事に関する実態調査によると、大規模修繕工事で実際にどんな工事をしているかの結果では、外壁関係(塗装・タイルの補修含む)の工事が24.0%と、1番高い結果になっています。
ただ、大規模修繕工事のタイミングを待つことなく、塗装工事などのメンテナンスを行う場合もあります。その判断ポイントとなる、外壁の劣化状況を確認していきましょう。
放置は危険!外壁の劣化状態を確認する
外壁の劣化状況を発見したらそのままにせず、施工業者に相談することが大切です。
主な外壁の劣化症状については以下の通りです。
症状 | 外壁工事の内容 | |
チョーキング | ・外壁をさわるとチョークの粉のようなものがつく ・紫外線などが原因となり、塗料がダメージにより分解されその一部が粉状になって現れている | ・高圧洗浄機などで表面を洗浄し、塗装する |
塗膜剥離 | ・塗膜に水分が入り込むことで、塗膜が水分を含み膨張していき、その一部が剥がれてしまっている | ・今ある塗料を剥がし、塗装し直す |
ひび割れ(クラック) | ・乾燥と膨張を繰り返すことで、塗料にひび割れが生じている ・ひび割れの幅が0.3mm以上なら雨水が侵入しやすい状態 | ・ひび割れ部分の除去を行い、シーリング材を注入し、塗装する |
露筋(ろきん) | ・鉄筋の腐食が進み、膨張することで、外壁の表面が押し出され、腐食した鉄筋がむき出しになっている ・ひび割れなど雨水の侵入が主な原因 | ・むき出しになった鉄筋付近の除去、錆落とし、欠落した部分を成形する ・建物のダメージは大きいので、早めの補修が必要 |
シーリングの劣化 | ・外壁材のすきまを埋めるゴム状のシーリングは紫外線の影響により劣化が進むと、ひび割れや剥がれ、欠落などが生じる | ・古くなったシーリングを除去し、新しいものに打ち替える |
劣化状況ごとの外壁工事内容は一例で、実際の劣化状況によっても作業内容は変わります。見た目には少しの劣化だと感じても、建物内部へ深刻なダメージをもたらしている場合もあるので放置せずに、早目に施工業者に相談しましょう。
関連記事:外壁塗装の時期が10~15年の理由は?塗装ができない6つの条件
マンションの外壁塗装工事の費用
マンションの外壁塗装工事をする際の目安は2400円/㎡程度です。ただし、使用する塗料によっても、費用は異なります。
たとえば、遮熱塗料などの特殊塗料を使用する場合、費用は20%程度高くなりますが、耐久性が高いため、メンテナンスの周期が長いというメリットもあります。
ただ費用が安いからという理由で判断すると、塗料の持ちが悪いなど、短いスパンでのメンテナンスが必要となる場合もあるので、塗料の耐久性や工事内容をよく確認した上で判断しましょう。
マンションの外壁塗装工事の期間
マンションの外壁塗装工事では、その現場によりますが、以下のような工事期間が目安です。
- 500㎡までは2週間
- 500~1000㎡の場合は1ヶ月
- 1,000~2,000㎡の場合は2ヶ月
そして外壁塗装工事では、騒音やホコリなどのクレームが発生することもあるので、マンションの居住者はもちろんのこと、近隣住民にも理解を得ておくことが大切です。
マンションの外壁塗装工事の流れ
マンションの外壁塗装工事は、どのような流れで行うのか確認してみましょう。
下地補修
下地補修では、外壁の凹凸や亀裂、欠損などを削ったり埋めたりして塗装する面の補修をします。外壁の表面だけをきれいにしても、建物の中が傷んでいては意味がありません。
そのため、見た目をきれいにするのはもちろんのこと、建物内部に劣化状況がないか確認し、適切な補修をします。
シーリング補修
外壁材のスキマを埋めるシーリングの耐久年数は10年程度と言われています。シーリング補修では、防水機能の低下したシーリングの場合は、撤去し、新しいものに打ち替えます。
シーリングは、建物を守るという防水面の大きな役割を担っているため、疎かにできない工程です。
塗装
塗装工事に入る前には高圧水洗浄を行い、塗装面の弱い所、粉塵、カビや苔、汚染物などをすべてきれいに除去し、水の使えない場所ではエアーブローを使用します。
次に塗装では、下塗り・中塗り・上塗りと分けて行うことで、外壁に塗料をしっかりと密着させます。また塗装業者によってはそれぞれ色を変えて塗装することで、工程をわかりやすくしている業者もいます。
その他にも、塗装工事に入る前に、近所へのご挨拶・足場の組み立て・養生などを行い、万全の状態で工事を進めます。そして外壁の上辺りや屋根の塗装は高所作業となるため、基本的には足場を設置します。
足場の組み立て時には大きな音がすることもありますが、音が気になりそうな場合は、どの程度の音がするのか、いつ音がするのかなどを事前に確認しておくのがよいでしょう。
要注意!外壁塗装工事でありがちなトラブル
マンションの外壁塗装工事では、工事期間が長いことに加え、騒音・ニオイ・ホコリなどが発生しやすいため、居住者や、近隣住民とトラブルになることもあります。
工事の音がうるさい
外壁の補修工事や、足場を組む仮設工事のときに大きな音が発生しやすくなります。
たとえば、ひび割れが生じているタイルを電動カッターを使って撤去するときや、タイルの接着剤を流しこむ穴をあけるときに、ドリルの音が響くことがあります。
こういった騒音に対して苦情を発生させないためには、塗装業者と打合せをして騒音が発生する時間を決めておき、その時間内で工事をすると決め、事前にきちんと周知しておくとよいでしょう。
関連記事:マンション修繕工事がうるさい時の対策
ホコリ・ニオイの発生
マンションの外壁塗装工事では、外壁の洗浄や塗装を行う際に、ベランダで洗濯物を干せない期間がでてきます。
また、塗装工事中はホコリが発生しやすく、塗料のニオイがきつくなることもあるため、窓を開けることができなくなる場合もあります。
こういったトラブルを避けるためには、十分な告知期間を取り、居住者や近隣住民の理解を得ることが大切でしょう。
押さえておきたい!施工業者選びのコツ
施工業者の中には、高額な費用を請求したり、手抜き工事を行う悪徳業者もいるため、業者選びは慎重に行う必要があります。そこで、押さえておきたい業者選びのコツをまとめました。
外壁診断を丁寧に行うか
外壁診断によって、塗装工事の内容や費用が大きく変わるため、外壁診断を丁寧に行う業者を選びましょう。業者の中にはササッと点検して一様に見積を作成する業者や、劣化状況を把握せずにただ塗装工事を行う業者も存在します。
外壁診断を行った後に、劣化状況の説明を行い、どんな工事内容になるのか細かく説明してくれる業者だと安心です。
見積りが妥当か
施工者から見積りを貰ったら、塗装代一式などではなく、きちんと明細が書かれているか確認しましょう。外壁塗装には、足場の組み立て・養生・下地処理などさまざまな工程が発生しますが、それらがきちんと含まれているか見ておくと安心です。
工事後に追加料金として請求される場合もあるので、見積りには何が含まれているか、きちんと確認し、納得した上で業者と契約しましょう。
実績があるか
マンションは、一軒家とは違い塗装範囲が広くなるので、施工管理を含め、さまざまなことを考慮し進める必要があります。
そこで業者が優良かどうかを判断するポイントとしては、これまでにどんな実績があるのか確認してみることです。マンションの施工実績がどれだけあるのか、参考に聞いてみるとよいでしょう。
また可能であれば、施工した物件を実際に見てみることも有効です。
マンションの外壁塗装工事はお任せ!白鳳にご相談を
マンションの外壁塗装工事の時期・費用・期間などについて解説しました。
外壁塗装工事では、天候不良などのアクシデントがつきものであることから、施工管理に長けている、実績のある業者を選ぶことが大切です。
外壁塗装は外部環境によりメンテナンスが時々で発生するため、長期的な付き合いができる優良業者に依頼することが、建物を長く安全に保つことにつながります。
白鳳はお客様のご希望に寄り添った塗装工事を実現します。