サイディングの外壁塗装を行う時期は?メンテナンスの目安はこれ!
2021年9月16日
サイディングは、住宅の約9割で使用されている外壁材で、メンテナンスフリーと聞いたことがある人もいるかもしれません。
ですが、建物を保護していくためにも、時期をみて「外壁塗装」などのメンテナンスが必要です。
この記事では、サイディングのメンテナンスを行う時期について、劣化状況や、サイディングの種類から判断するポイントを解説します。
<目次>
サイディングの外壁塗装を行う時期は?しないとどうなる?
サイディングはパネルの形状をした外壁材で、モルタルなどの塗り壁と比べれば、費用が安く抑えられ、デザインの自由度が高いという特徴があります。
住宅用建材使用状況調査によると、日本の住宅の外壁仕上げでは「窯業(ようぎょう)サイディング」が80.4%(78.3)、その他のサイディングも合わせると、「サイディング」で実に全体の90%を占めています。過去に主流だった「モルタル」は5%程となっています。
そんなサイディングのメンテナンスを行う時期は、10年~15年周期が目安となっています。
この周期は、サイディングに施す塗料の寿命が関係していますが、その他にもサイディングの種類・劣化状況から判断して、外壁塗装などのメンテナンスを行う場合があります。
もしサイディングのメンテナンスを適切に行わなければ、雨漏りがしたり、虫が侵入したりするなど、建物に深刻な被害をもたらす恐れがあるでしょう。
(一社)日本サッシ協会 2021年3月版『住宅用建材使用状況調査』
そもそもサイディングのメンテナンスって何をするの?
サイディングのメンテナンスでは、その劣化状況によりますが、塗装・重ね張り・張り替えのいずれかを行います。
どのメンテナンスを行うのかは、外壁診断をした上で、塗装業者とよく打ち合わせをして決めましょう。
外壁塗装
外壁塗装では、サイディングの補修が可能な場合に行うメンテナンスで、主に防水性を回復させることを目的にしています。
もしサイディングにひび割れが発生している場合は、補修を行った後で、塗装作業に入ります。外壁塗装では、重ね張りや、張り替えに比べると費用が安く、工期が短めになります。
重ね張り
重ね張りは、外壁カバー工法とも言われていて、サイディングの寿命を迎えた時に施すもので、今張られているサイディングを撤去せずに、その上から新しいサイディングを重ねて張ります。
撤去費用がかからないため、コストを抑えることができ、断熱性や遮音声が向上する効果が期待できますが、サイディングの劣化状況によっては、重ね張りではカバーできないこともあります。
張り替え
張り替えは、サイディングに深刻な劣化や、補修不可能な不具合が生じている時に行うメンテナンスで、今あるサイディングを撤去し、新しいサイディングに張り替えます。
サイディングを取り外すので、その内部の防水紙などのお手入れができ、大幅なイメージチェンジもできますが、気になる点としては、コストがかかり、工期が長くなる点です。
次にサイディングのメンテナンスを行う判断基準について、劣化状況とサイディングの種類から見極めるポイントをそれぞれ見ていきましょう。
サイディングの劣化症状でメンテナンスを検討する場合
サイディングの劣化症状は、突然現れるのではなく、徐々に劣化が進行していったものがあらわになった現象であり、劣化に気づいたらそのままにせずに、早めに対処することが大切です。
チョーキング
チョーキングは、白亜(はくあ)化とも言われ、サイディングを指でさわったらチョークの粉のようなものがつく現象です。
紫外線などが原因となり、サイディングの表面に塗装されている塗料がダメージにより分解され、その一部が粉状になって現れます。
防水の効果が発揮できなくなっているため、メンナンスでは、高圧洗浄などで表面の汚れをふき取った後、塗装を行います。
塗膜剥離
塗膜剥離は、サイディング表面を覆う塗膜に水分が入り込むことで、塗膜が水分を含み膨張していき、その一部が剥がれてしまう現象です。
塗膜の剥離が進行して広範囲にわたってしまうと、建物を適切に保護できなくなるので、早めに外壁塗装などのメンテナンスを行うことが大切です。
ひび割れ(クラック)
サイディングの劣化が進むと雨水を吸収しやすくなり、乾燥と膨張を繰り返すことで、ひび割れが生じる場合があります。
ひび割れが生じると、その隙間から、雨水や虫が侵入する可能性があり、建物内部に深刻なダメージをもたらす恐れがあるので、早急に補修を検討しましょう。
露筋(ろきん)
露筋では、サイディングの劣化が深刻化し、建物内部にまで傷みが生じた時に起きる現象です。ひび割れなど雨水の侵入が主な原因で、鉄筋の腐食が進み、膨張することで、外壁の表面が押し出され、腐食した鉄筋がむき出しになった状態です。
メンテナンスでは、むき出しになった鉄筋付近の除去や、錆落とし、欠落した部分を成形するなどさまざまな工程が発生します。言うまでもなく、建物のダメージは大きいので、早めの補修が必要です。
シーリングの劣化
シーリングとは、サイディングの間を埋めるゴム状の素材のことで、スキマを埋めることにより、雨水などの侵入を防ぐ役割をはたしていますが、紫外線の影響により劣化が進むと、ひび割れや剥がれ、欠落などが生じます。
シーリングの寿命は一般的に5~10年ほどで、シーリングの補修では、古くなったシーリングを除去し、新しいものに打ち替えるのが主流です。
サイディングの種類でメンテナンスを検討する場合
サイディングには使用する材料によって4種類ありますが、それぞれメンテナンスを行う時期を検討する場合があります。
4種類のサイディングの特徴やメンテナンス時期についてまとめました。
サイディングの種類 | 特徴 |
---|---|
窯業系(ようぎょうけい) サイディング | セメントと繊維質を主原料としていて、防火性・耐震性に優れ、多種多様なデザインが出せます。 撥水性が少ないため、カビやコケが入ると、常時水分を含んだ状態になるので、浮きが生じたり、反りによって雨漏りの原因となることもあります。 メンテナンス目安:10~15年 |
金属系サイディング | 軽量で耐久性に優れていて、金属の質感を活かしたシャープな見た目が魅力です。 ひっかき傷などによるサビが発生しやすく、サイディングの隙間を埋めるコーキングの劣化が起こりやすいという特徴もあります。 メンテナンス目安:10~15年 |
木質系サイディング | 天然木などの木材を主材としているため、温かみのあるデザインが特徴で、断熱性に優れています。 木製なので湿気に弱く、防火性が低いため、こまめなメンテナンスが必要になります。 メンテナンス目安:8年~10年 |
樹脂系サイディング | 塩化ビニル(プラスチック)を主原料とし、雨や塩害に強く、色あせが少ないのが特徴で、海外で主流です。 紫外線の影響を受けやすく、徐々に耐久性が失われていきます。 メンテナンス目安:10年~20年 |
サイディングの種類によって、劣化症状や、メンテナンス時期が異なってくるため、それぞれの特徴を押さえた上で、メンテナンスの計画をたてておくと安心です。
サイディングの外壁塗装ができない条件はある?
サイディングの外壁塗装では、塗料の性能がよくなっていることから、季節問わずいつ行っても問題ありません。
ただ外壁塗装ができない気象条件に、「気温が5℃未満、相対湿度が85%以上の場合は塗装作業に着手しない」というものがあります。
外壁塗装では、塗料を乾燥させる時間が必要となるため、塗料を塗ってから一定の時間をおかないといけません。そのため湿気が多い場所や、結露が発生しやすい地域では、塗料が乾きづらくなることがあるので、塗装作業を行う時期はよく検討する必要があるでしょう。
参考:日本建築学会 建築工事標準仕様書
サイディングの外壁塗装で大切なのは「業者選び」
サイディングの外壁塗装で滞りなく進めるためには、外壁塗装の業者を慎重に選ぶ必要があります。外壁塗装の業者の中には、費用を法外に請求したり、手抜き工事を行う悪徳業者もいるので慎重に判断しましょう。
塗装業者選びのポイントは、外壁診断を丁寧に行う、劣化状況を踏まえた上での適正価格での見積りをしてくれる、実績が豊富な業者を選ぶと安心です。
マンション・工場などの外壁塗装はお任せ!白鳳にご相談を
サイディングの外壁塗装を行う時期について解説してきました。
外壁塗装では、天候不良などのアクシデントがつきものであることから、施工管理ができて、実績のある業者を選ぶことが大切です。
サイディングの外壁塗装は10~15年周期で行いますが、定期的なメンテナンスが必要であることから、長期的なスパンでケアを考えてくれる優良業者に依頼することが、建物を長く安全に保つことにつながります。
白鳳はお客様のご希望に寄り添った塗装工事を実現します。