コラム

マンションのメンテナンスを行う適切な時期は?費用や内容、マンションの寿命について詳しく解説

2025年4月15日

マンションのメンテナンスを行う適切な時期は?費用や内容、マンションの寿命について詳しく解説

マンションの資産価値を保ち、居住者に安全な住環境を提供するためには、定期的なメンテナンスの実施が不可欠です。

マンションは戸建て住宅とは異なり、管理組合が主体となってメンテンナンスを実施します。一方で、居住者自身がメンテナンスを行う箇所もあり、管理組合と居住者それぞれが適切なタイミングで修繕や点検を実施することが大切です。

この記事ではマンションの寿命、メンテナンス箇所の分担、メンテナンスの周期や内容などを解説します。マンションを長持ちさせるため、ぜひ参考にしてくださいね。

マンションの寿命はどのくらい?

マンションの寿命はどのくらい?

鉄筋コンクリート造のマンションは、丈夫で長く住むことのできるイメージを持っている方も多いでしょう。そこで、実際にマンションの寿命はどのくらいなのか説明します。

メンテナンスを継続すれば、100年以上維持が可能

鉄筋コンクリート造のマンションは、配管や各種設備、外壁などについて適切なメンテナンスや点検を行っていれば、100年以上維持が可能だといわれています。

なお、居住用の鉄筋コンクリート造の建物について、法定耐用年数は70年とされています。ただし、法定耐用年数は税金の算出などに用いるために法律で定められたものであり、70年を超えたからといって必ずしも居住できなくなるわけではありません。

また、法定耐用年数以外にも経済的耐用年数という指標があります。これは、建物が経済的にどのくらいの価値があるかを示し、ローンの審査時などに用いられるものです。

たとえば不動産投資などでローンを組む場合、もし築年数が法定耐用年数を過ぎていたとしても、金融機関が経済的耐用年数を用いて融資してくれるケースもあります。

マンションの設備は15~30年で交換が必要

先述した通り、居住用鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は70年となっています。しかし、マンションを維持するためには、マンション内部の各種設備のメンテナンスも行わなければなりません。

メンテナンスが必要な設備には、配管設備、エレベーター、機械式の駐車場、排水管や給湯器などの水回りがありますが、これらはおよそ15年から30年で寿命を迎えるといわれています。

特に古いマンションでは、建物自体よりも先に設備が寿命を迎えてしまい、建て替えや取り壊しを検討しなくてはならない場合も。マンションのメンテナンスを行う際には、外装だけでなく建物内部の設備のメンテナンスや交換も定期的に行うことで、マンションの寿命を延ばすことに繋がるでしょう。

マンションのメンテナンスの費用負担

マンションのメンテナンス箇所の分担

戸建て住宅とは異なり、複数の居住者がいるマンション。各部のメンテナンス費用の負担者が誰になるのか、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。ここではマンションの各部をメンテナンスする際、費用負担者が誰になるのか解説していきます。

マンションには共有部分と専有部分がある

マンションには、マンションの居住者全員が共有して利用する「共有部分」と、個々の居住者が単独で使用する「専有部分」があります。

主に以下の箇所が共有部分に該当します。

  • 躯体部分(屋根、外壁など)
  • エントランス
  • ロビー
  • 共用廊下
  • エレベーター
  • 階段
  • 駐車場
  • 管理人室
  • ごみ置き場
  • 宅配ボックス

また、主に以下の箇所が専有部分に該当します。

  • 室内にある間仕切り壁
  • フローリング
  • 玄関扉の錠
  • 内装部分
  • 室内のドア
  • キッチン
  • レンジフード
  • 浴室
  • 洗面台
  • トイレ
  • クローゼット

なお、専有部分と間違いやすい区分に「専用使用部分」があります。共用部分のうち、居住者が専用に使用する部分のことで、主に以下の箇所を指します。

  • インターホン
  • 玄関ドア
  • バルコニー
  • 窓ガラス
  • 網戸
  • 給水配管

たとえば窓ガラスについて、もとから設置されていた窓ガラスを、管理組合の許可なく他の窓ガラスに入れ替えることはできません。また、インターホンを新しいものに交換したいといった場合も、管理組合の許可が必要です。なお、専用使用部分で禁止されている事項については、各マンションの管理規約によって異なります。

共有部分のメンテナンス担当は管理組合

マンションの共有部分のメンテナンスは管理組合によって行われるのが一般的です。その費用は毎月居住者がマンションの修繕費として支払い、積み立てる修繕積立金から支払われます。

修繕積立金の金額については、新築時に管理組合の話し合いによって定められ、長期修繕計画に盛り込まれます。一般的には築年数の浅いうちは安く、築年数が経過するほど高くなっていきます。なお、長期修繕計画は、必要に応じて管理組合により変更されることも。計画外の修繕や物価高騰による修繕費の上昇などの原因により、修繕積立金の金額が上げられる場合などがあります。

管理組合が修繕積立金からメンテンナンス費用を負担するのは、共有部分に劣化や破損があるケースです。

エントランスやエレベーターなどは共有部分としてわかりやすい箇所である一方、共有部分と専有部分の判断が難しいのが配管。配管は部屋から一定の距離までが専有配管、その先が共用配管となっています。したがって、マンションで漏水が起きた際は、漏水の原因箇所が専有配管である場合は部屋の居住者が、共有部分である場合は管理組合がメンテナンス費用を負担することになるでしょう。詳しくは各マンションで定められている管理規約を確認するようにしてください。

なお、調査の結果、漏水の原因がどちらにあるのか明確にならなかった場合は、区分所有法の定めにより、共有部分が原因とみなし、管理組合の負担になると決められています。

関連記事:「大規模修繕の費用はいくら?工事費用の相場や足りない場合の対処法について解説

専有部分のメンテナンスは区分所有者の負担

マンションの専有部分のメンテナンスは区分所有者が行います。自分の居室をリフォームする場合は当然自己負担となりますが、判断が難しいのが、先述した「専用使用部分」のメンテナンスする際の費用負担。

インターホンやバルコニーといった専用使用部分のメンテナンス費用の負担先が、区分所有者の負担になるか、管理組合の負担になるかは、そのマンションが定める管理規約によって異なります。ただし、居住者の不注意や過失で修繕が必要になった場合はもちろん、通常使用で劣化した場合の修繕についても自己負担とする旨を定めている管理規約が多くなっています。

マンションの共有部分のメンテナンス時期

マンションの共有部分のメンテナンス時期

共有部分のメンテナンスには、「大規模修繕」と「法定点検」の大きく分けて2つがあります。大規模修繕の実施周期の目安と、法定点検の内容・周期をそれぞれ解説していきます。

大規模修繕の周期目安

建物を長く維持するため、定期的に行われる大規模修繕工事。その周期に明確なルールはなく、基本的には管理組合がマンションの構造や工法、設備内容、立地条件、劣化状態などを見て、大規模修繕を行う時期を判断しています。

とはいえ、一般的には周期の目安は12年から15年だといわれています。国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の報告でも、約7割以上のマンションにおいて、12年から15年に1度の周期で大規模修繕を実施しているといるというデータが出ています。

この周期が一般的である理由の1つは、「全面打診調査」の実施時期と合わせるため。全面打診調査とは、建築基準法により実施が定められている調査で、マンションの外壁タイルを叩き、外壁タイルと下地の間に隙間がないかを見つけるものです。この調査は10年ごと(3年以内に外壁補修が行われる場合、その時点まで)に実施しなければいけない旨が定められているため、マンション全体の大規模修繕もこのタイミングに合わせて行われることが多くなっています。

また、もう1つの理由としては、塗料や資材が劣化するタイミングと合わせているためです。マンションの外壁に使われる塗料や防水材、シーリング材などは、雨風や日光の紫外線などの外的要因の影響を受け、10年を超えると劣化が見られはじめます。コンクリート内部までいたる深刻な劣化を予防するためにも、12年周期で大規模修繕が行われることが多くなっているのです。

関連記事:「マンションの修繕工事は「築何年」で行う?工事内容・費用を解説!

法定点検の周期と内容

マンションでは居住者が安全に暮らすことができるよう、各設備の定期的な点検が欠かせません。点検には「法定点検」と「任意点検」の2種類があります。

法定点検は、専門知識や資格を保有する業者により、エレベーターや消防・給水設備などの設備を点検するもので、法律によって実施が義務付けられています。一方、任意点検は、管理人や居住者が安全のために任意に行うもので、自動ドアや宅配ボックス、機械式駐車場の点検がこれにあたります。

法定点検は点検の種類により、法令で周期が定められています。以下は主な法定点検の項目と内容、周期の一覧になります。

点検の項目内容周期
建設設備定期検査換気設備・排煙設備、非常用照明、給水設備・排水設備、昇降機などの検査1年に1回(規模や用途による)
防火設備定期検査防火シャッターや防火ドアなど防火設備の検査1年に1回(規模や用途による)
消防設備点検
機器点検:共用部分に設置された消火器や消火栓、火災報知機、避難器具などの検査

総合点検:専有部分(各部屋)に設置された消防設備の検査
機器点検:半年に1回
総合点検:1年に1回
エレベーター保守点検エレベーターの昇降機能など機能全般の検査1年に1回
簡易専用水道検査
(受水槽の有効容量が10㎥を超えるマンションで法定義務あり)
水槽や周辺の外観検査、給水栓の水質検査、水槽の清掃記録などの書類検査1年に1回以上
貯水槽清掃
(受水槽の有効容量が10㎥を超えるマンションで法定義務あり
貯水槽内の清掃・消毒、水質検査、機器のメンテナンス、外観の清掃、周辺の清掃1年に1回以上
電気設備点検
月次点検:過剰な電圧や電力がかかっていないか、配線に破損がないかなどの検査

年次点検:絶縁放電測定、温度測定などの検査
月次点検:月に1回
年次点検:年に1回

マンションの専有部分のメンテナンス時期

専有部分のメンテナンスは区分所有者が行うこととなります。

一般的に、水回りや排気設備、電気設備などは10年から20年で取り替えを検討するのが適切だといわれています。故障が発生してから取り替えるとなると、機能や価格を十分に吟味しないまま、あわてて取り替えることに繋がりかねません。そのような状況を防ぐためにも、定期的に点検を行う必要があるでしょう。

また、マンションの専有部分のメンテナンスを行った際、区分所有者は点検結果や修繕の記録を保存しておくと安心です。今はマンションを売却することを特段考えていないとしても、この先売却を検討することになった場合、リフォームの履歴を伝えることで売却価格を上げられる可能性があります。

なお、各マンションの管理規約により居住者によるメンテナンスの可否や費用負担のルールが異なるほか、箇所によっては専用使用部分に関係してくるものもあります。そのため、修繕や取り替えを行いたい場合は独自の判断で行うのではなく、管理組合に相談するなどで必ず管理規約に従って行うようにしましょう。

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マンションの外壁は外部環境や経年劣化により、定期的なメンテナンスや修繕の必要が生じます。
建物を長く安全に保つためにも、長期的に安心してお付き合いできる優良業者に依頼することが大切です。

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