コラム

大規模修繕工事にどれぐらいの期間が必要?規模別・工事内容別の期間目安や工事の流れを解説

2024年12月11日

大規模修繕工事にどれぐらいの期間が必要?規模別・工事内容別の期間目安や工事の流れを解説

マンションや建物の状態を良好に維持するため、定期的に行う必要がある「大規模修繕」。しかし、いざ大規模修繕を行おうと思っても、どのぐらいの期間がかかるのかわからない…とお困りのオーナー様も多いはず。

そこで今回は、マンションの大規模修繕工事にどのぐらいの期間がかかるのか解説していきます。また、準備の流れやそれぞれの工事に必要な期間目安などもまとめていきますので、参考にご覧ください。

いつから計画すべき?大規模修繕の準備期間は?


マンションにおける大規模修繕工事は、あらかじめ建物診断や修繕工事計画の策定などの準備期間が必要となるため、計画から着工まで約1~2年程度かかるのが一般的です。

工事期間はマンションの規模や工事内容によって異なりますが、修繕工事が始まってから3ヶ月~長ければ1年を超えるケースもあります。そのため、マンションの大規模修繕は、計画を立てはじめてから工事完了までに全体で2~3年程度が必要だと考えておくと良いでしょう。

【各期間の目安】
計画~着工 :約1~2年程度
着工~工事完了 :3ヶ月~長ければ1年を超える場合も

なお、何年ごとに大規模修繕を行えば良いのか、工事の周期についての目安は、こちらの「12年・15年・18年?マンションにおける大規模修繕工事の周期はどれぐらい?」で詳しく解説しています。

【規模別】大規模修繕工事の期間目安

【規模別】大規模修繕工事の期間目安

大規模修繕における大まかな期間目安についてお伝えしましたが、ここからはマンションの規模別に、大規模修繕工事に必要な期間の目安についてまとめていきます。

小規模マンションの期間目安(50戸未満)

総戸数50戸未満の小規模マンションの場合、大規模修繕工事にかかる期間は約3~4ヵ月が目安となっています。

小規模マンションの場合、大規模マンションと比べて共用設備や階数も少なく、外壁に関してもそれほど塗装面積が広くないため、比較的、修繕工事の期間は短く済む傾向があります。

ただし、戸数が少ないが故に入居者同士が顔見知りで、既にある程度の関係性が構築されているケースも少なくありません。そのため、あらかじめ住民に意見を求めて調整するなど、事前の根回しが円滑に大規模修繕工事を行うポイントとなります。

中規模マンションの期間目安(50~100戸程度)

総戸数50~100戸程度の中規模マンションの場合、大規模修繕工事に約4~6ヵ月程度の期間が必要となります。

中規模マンションでは、小規模マンションに比べて建物自体が大きくなるほか、共用設備も多くなる傾向があります。規模が大きくなるにつれ、かかる費用も増加しますし、どの設備・部分を修繕計画に入れるべきかなど、検討すべき項目が増えるため、事前の綿密な計画が重要となってきます。

大規模マンションの期間目安(100戸以上)

総戸数が100戸以上の大規模マンションになってくると、大規模修繕の工事期間はおよそ半年から1年程度かかります。さらに、超高層のタワーマンションや敷地内に別の共用建物などがあるような規模のマンションになると、1年以上の期間がかかることもあります。

このクラスの大規模マンションとなると、入居者数もかなり多く、大規模修繕計画の承認を得るのに時間がかかるケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで調整を進める必要があります。また、マンション内の設備や施工面積も増えるので、大規模マンションに対応できる規模と豊富な経験がある施工会社を選ぶ必要があります。

大規模修繕における各工事の期間の目安

大規模修繕では外壁や屋上・共用設備など、さまざまな箇所の補修・改修工事を行うため、それぞれに必要な工事期間の目安を知ることで全体の工事期間目安を算出することもできます。

ここでは、大規模修繕工事で行う代表的な作業の期間目安についてまとめていきますので、修繕計画を立てる際の参考にご覧ください。

足場や仮設設備の設置にかかる期間

外壁塗装や防水工事を行う際には、その準備として足場や仮設設備の設置が必要となります。

資材置き場や洗い場、作業員の詰め所など、仮設設備の設置は1~2日程度が目安です。また、足場は建物周囲を囲んで設置し、さらに資材や塗料の飛散や落下を防ぐためにシートで覆うため、小規模マンションで10〜15日程度、中規模から大規模マンションで20〜30日程度の期間がかかります。

下地補修・シーリング工事・鉄部塗装にかかる期間

足場が完成したら、次は下地の補修や鉄部の塗装、シーリング工事などを行います。これらにかかる期間は約2週間~1ヵ月程度が目安です。

まず下地補修では、建物本体のコンクリートのひび割れや鉄筋の劣化などを補修。そしてシーリング工事では、防水性を維持するために、外壁材のつなぎ目やサッシの隙間をゴム状のシーリング材と呼ばれるものを使って埋めていきます。最後に鉄部の錆などを取り除いて、塗装を行います。

どの作業も、建物自体の寿命を左右する重要な工事となっています。

防水工事・外壁塗装にかかる期間

下地補修が終わったら、仕上げとして防水工事と外壁塗装を行います。

防水工事では、屋上や外階段の防水性を高めて建物の劣化を防止。また、外壁塗装では、外壁を新たな塗料で塗り直すことでマンション自体の美観や資産価値を保ちます。

防水工事も外壁塗装も、大規模修繕のメインとも言える時間のかかる大変な作業です。ですので、マンションの規模や構造によって工事箇所・面積に大きく差は出ますが、目安として1~3ヵ月程度かかると思ってよいでしょう。

大規模修繕を行う際の流れ

大規模修繕を行う際の流れ

マンションの大規模修繕では、計画を立てはじめてから工事完了までに全体で2~3年程度が必要だとお話しましたが、実際には、どのような流れで計画を進めて行くのでしょうか?

ここからは、大規模修繕の準備から工事完了までの主な流れをまとめていきます。

大規模修繕委員会を設置

マンションの大規模修繕工事を行う際には、まず体制を整えるために修繕委員会を設置するのが一般的です。

修繕委員会は、マンションの管理組合の大規模修繕における意見を集約して計画を立てるほか、建物調査への立ち合いや予算審議など、大規模修繕工事の進行に深く関わる組織となります。

必ずしも修繕委員会を設置しなければいけないというわけではありませんが、修繕委員会が計画全体を主導していくことで工事が円滑に進みやすいというメリットがあります。

建物調査診断の実施

大規模修繕を適切に計画するためには、建物がどのような状態になっているかを正確に調査する必要があります。

そのため、工事計画を立てる前に、建物の管理会社や修繕工事の施工業者などに依頼をし、建物の劣化状況を調査。修繕工事が必要か必要でないかを判断してもらってから、それを基に施工内容を検討しましょう。

修繕計画と資金計画の作成

建物調査診断でマンションの劣化状況を把握したら、次は修繕計画と資金計画を立てます。

早急に修繕が必要だと判断された箇所については優先的に計画に入れるなど、修繕の必要性と予算のバランスを調整しながら、工事内容を決めることが大切です。

なお、大規模修繕工事の見積もりはあくまでも概算です。着工後に想定よりも工事箇所が増えることもありますので、追加工事や仕様変更を踏まえた上で余裕を持った資金計画を立てておきましょう。

施工会社の選定

修繕計画と資金計画の後は、実際に大規模修繕を行う施工会社を選定します。

一般的には、複数の施工会社に見積もりを取り、工事内容や施工方法などをヒアリングするプレゼンテーションを実施。その後、それぞれ比較検討して依頼する施工会社を決定します。

大規模修繕は、規模も大きく工事期間も長いため、金額だけでなく施工会社の特徴や考え方などを踏まえて選ぶことが重要です。

  • 十分なノウハウと実績があるか
  • 現場担当は居住者と円滑にコミュニケーションが取れる人柄か
  • アフターサービスはしっかりしているか
  • 会社の経営状態・財務状況は良好か

…など、これらのポイントを含めて判断するようにしましょう。

総会開催、及び施工会社と契約

大規模修繕の工事計画や予算が決まったら、総会を開催しましょう。

総会では、「どんな工事内容なのか」「予算はどれぐらいか」「どの施工会社に依頼するのか」などを管理組合に説明します。そして、管理組合の承認を得たら、施工会社と正式に契約を交わします。

工事説明会の実施

大規模修繕工事を行う前には、着工の1カ月前を目安にマンションの居住者に向けて工事説明会を開催します。

工事説明会では、施工会社から工事の概要や工事期間中の注意事項などを説明。特に工事期間中はバルコニー・ベランダの使用について制限がかかったり、エレベーターやライフラインが一時的に使用停止になることもあるため、居住者の生活に支障をきたさないように十分な説明を行いましょう。

工事開始

大規模修繕工事が始まったら、進捗状況をチェックしながら遅延や住民とのトラブルが起こっていないかを確認しましょう。

また、大規模修繕を開始してから追加工事が必要な箇所が見つかることもあります。ですので、施工会社とは密にコミュニケーションを取り、定期的な情報共有を行いましょう。

工事完了

修繕工事が完了したら、契約内容通りに工事が行われたか、不具合はないかなどを確認する竣工検査を行います。問題なければ、報告書や保証書などを受け取り、大規模修繕が完了となります。

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マンションの大規模修繕では、規模によって必要な期間に大きく差が出てきますが、修繕委員会を結成し、工事全体を主導していくことで、準備から着工、工事完了までを円滑に進めて行くことができます。

大規模修繕は長期間の工事となるほか、建物の建て替えまでに複数回にわたる修繕が必要となります。そのため、大規模修繕を実施する際には、無理なく予算にあった工事計画を立てること、また、長期的なスパンでケアを考えてくれる優良業者に依頼することが、マンションを長く安全に維持することにつながります。

私たち白鳳は、お客様のご希望に寄り添った大規模修繕工事を実現します。ご相談は無料となっておりますので、大規模修繕でお悩みのマンションオーナー様はぜひ一度お問い合わせください。

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