石綿(アスベスト)関連法規の改正について
2022年6月14日
石綿(アスベスト)関連法規の改正を受けて、建物などの改修・解体工事の際、石綿含有建材(吹付け石綿・断熱材等・成型板等)の事前調査・報告が、義務化されていることはご存知でしょうか?
100万円以上80平米以上の解体工事、共同住宅、テナント、工場、戸建住宅、全ての構造物においての改修工事、解体工事は2022年4月1日から有資格者による元請事業者からのシステムへの報告義務があり、2023年10月からは有資格者による建物調査が義務化となります。
今現在資格者が少なく、報告義務があることさえ知らない業者さんがおられるのが実態です。
しかし施主様は、今後発注者責任を問われる可能性があり、知らなかったでは済まされない内容となってきます。
●法改正の内容
1.規制対象の拡大
改正前
アスベスト規制対象:吹付材(レベル1)、断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)
↓
改正後
アスベスト規制対象:吹付材(レベル1)、断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)、
成形板(レベル3)【追加】
すべての石綿含有建材が規制対象となります。
今回の法改正で成形板(レベル3)も規制対象に追加されます。
2.アスベスト事前調査結果の「記録の作成」、「保存」、※1「届け出(都道府県等)」が義務化
※1.2022年4月1日から適用
改正前
・事前調査結果を発注者へ書面で説明
・事前調査結果の記録の作成、3年間の保存
↓
改正後
・事前調査結果を発注者へ書面で説明
・事前調査結果を解体工事の場所に掲示 【追加】
・事前調査結果の記録の作成、3年間の保存
・事前調査結果の報告を義務化(2022年4月1日から適用)※2
改正法の施行後は、すべての石綿含有建材に対して事前調査結果の「記録の作成」、「3年間の保存」、「報告(都道府県等)」が必要となります。
※2.事前調査結果の報告対象:「解体工事」の際は床面積合計が80平方メートル以上、「改造・補修工事」の際は請負代金の合計が100万円以上。
さらに、2023年10月1日から、事前調査は、一定の知見を有する者として、国が定める講習会を修了した者等に行わせることが義務付けられます。
3.直接罰の新設
改正前
除去対象:吹付材(レベル1)、断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)
・作業基準に違反した際は、適合命令や作業の一時停止命令が出されます。
・上記の命令に違反した際は罰則があります。
↓
改正後
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金 が科されます。【追加】
除去対象:吹付材(レベル1)、断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル2)
違法なアスベストの除去作業をした際は、3か月以下の懲役又は30万円以下の罰金(直接罰)が科せられます。
石綿含有建材の除去等の方法が法律に規定され、これに違反したものに対し、勧告・命令等の手続きを経ることなく、3か月以下の懲役又は30万円以下の罰金を科すことが規定されました。
対象は、元請業者のみならず、下請業者にも及ぶことになります。
●石綿(アスベスト)とは?
石綿とは、繊維状の天然鉱物であり、極めて細い繊維状の物質です。建築分野では、スレート屋根・窯業系サイディング板、断熱材や仕上塗材などの原材料として広く使われていました。
ところが、微細な石綿を吸い込むことで、肺がんや中皮腫を発症する恐れが判明し、段階的に規制が強化されました。そして、2006年には石綿含有率が0.1%を越える製品の製造や使用等が禁止されました。 また、石綿含有が禁止される前に製造された建材も、改修工事や解体工事で飛散のおそれがあるため、段階的に規制が強化されています。
●法改正の施行日 要点 法改正の主なポイント
2021年4月から 石綿含有建材レベル3(※)も規制対象に追加
※住宅屋根用化粧スレート・窯業系サイディング・ロックウール吸音天井板などが該当します。 規制対象ではなかった石綿含有建材のレベル3も対象となり、作業基準の遵守が必要になります。
刑事罰が適用 適切な飛散防止対策を講じずに作業を行った場合、刑事罰が適用
※元請業者および自主施工者だけでなく、下請業者も刑事罰の対象となります。
2022年4月から 建物の事前調査と調査結果の報告が義務化
※石綿含有建材の有無にかかわらず、全ての建物に事前調査が必要になります。
100万円以上の工事は労働基準監督署・自治体への報告義務があり、 全ての工事でお客様への調査結果の報告義務があります。
2023年10月から有資格者による事前調査が義務化
※一般建築物石綿含有建材調査者の資格者による事前調査が必要になります。
白鳳ではこの法改正に合わせ、システムに対しての報告準備、資格者を用意させていただいていますのでご安心ください!
長文をお読み頂き、誠にありがとう御座います。