4種類の屋上防水工事について解説!費用や点検のポイント
2022年1月31日
マンションや工場の屋上防水の工事には、様々な種類があり施工費用も異なるため、「結局、どの防水工事が所有する建物に適しているかわからない…。」「提示された見積もり内容で本当に大丈夫なのだろうか…。」と頭を悩ませる方は少なくありません。
そこで本記事では、屋上防水工事の種類や費用相場、メンテナンスのポイントなどを、実際に現場で見られる劣化症状の写真を交えて解説します。
<目次>
屋上防水とは?
屋上の雨漏りを防ぐために工事を施すことを、屋上防水といいます。 防水性を長く保ち、屋上の雨漏りや劣化を永続的に防ぐには、適切なタイミングで点検や修繕を行うことが重要ポイントです。
ビルやマンションなどの所有者は、所有する建物の修繕・点検を行う義務があるため、防水工事の種類や特徴を把握し、所有する建物に適した防水工事を施すようにしましょう。
屋上防水を検討すべき症状
屋上防水工事を検討すべき劣化症状は、主に水漏れ、ひび割れ、浮きの3つです。
これらの劣化症状を長く放置すると、突然雨漏りが発生したり、修繕工事のため莫大な費用の出費が必要になったりする場合があります。 これから、現場で生じた劣化症状の写真を交えて解説していきます。
漏水・すでに水が侵入している場合は迅速な補修工事が必要
すぐに補修が必要なケースは、ひび割れなどが要因となり、水がすでに侵入しているケースです。
上記の写真のように大きなひび割れがある場合、雨水が浸水している可能性が大きくなります。なるべく早めの点検・補修工事が必要です。
ひび割れ・浮き・塗装の剥がれ
上記の写真のように、ひび割れ・浮き・塗装の剥がれが見られる場合は、なるべく早めに点検調査を依頼することをおすすめします。
ひび割れは経年劣化のほか、地震や強風など何らかの理由で建物が揺れることでも生じてしまいます。
浮きは、防水層の下に結露や水蒸気が発生し、防水シートとの密着性が悪くなったり、塗装が剥がれやすくなったりするのが原因です。
調査を行う際は、実際に防水層を確認し、破損や破れ、浮き等の劣化状態を確認して、最適な防水工事を行ないましょう。 また、防水工事を行って10年以上経過している場合も、調査を行う方が望ましいです。
屋上防水の種類と費用相場
屋上の劣化状況や予算、建物の所有者が何を求めているかどうかで、施工方法や費用が決まります。
これから紹介する屋上防水の種類とおおよその費用を参考に、建物に最適な工法を選択し、費用対効果の高い防水工事を行いましょう。
ウレタン防水
- 費用相場:4000円〜/㎡
- 耐用年数:5年〜10年
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を屋上に塗装し、防水層を形成する工法です。
シート防水では形状が複雑な箇所への施工は難しいのですが、ウレタン防水だと、屋上に直接樹脂を塗布する工法のため、形状が複雑な箇所にも施工が可能です。
ウレタン防水には、主に3つの工法があります。
詳しくは「防水工事の種類①ウレタン防水」をご覧ください。
ウレタンシート
- 費用相場:5,500円程度/㎡
- 耐用年数:5年〜10年
ウレタンシートは、ウレタン通気緩衝工法と呼ばれる方法で施工します。
通気緩衝シートの上にウレタン塗膜防水を塗り重ね、下地との密着・耐久性に優れた工法です。 屋上防水で安価な部類のため、予算を抑えたい場合はこの工法を使うことが多いです。
劣化具合にもよりますが、5年以上経過した際はメンテナンスが必要になり、10年以上経過した場合は表層のトップコートの修繕作業が必要になります。
シート防水
- 費用相場:6,000円〜8,000円/㎡
- 耐用年数:約10年
シート防水は、シートで屋上の床を覆い尽くし、防水層を形成する工法です。
この工法で使用するシートはゴムシート、塩ビシート、アスファルトシートなど、さまざまな種類があります。
一般的によく用いられるシートは塩ビシートで、直射日光や風に強い特徴があり、マンションやビルの屋上の防水にもよく利用されています。
広い範囲を一度に施工できるため、短期間で工事が終わるメリットがあり、工事中の天候に左右されにくいのがポイントです。
ただ、シートを貼り合わせる工事であるため、複雑な形状をしている屋上の場合は、対応が難しくなります。また、シートのつなぎ目がうまく処理できていないと、雨漏りなどの原因となるため、施工には高い技術を要します。
シート防水には、主に2つの工法があります。
詳しくは「防水工事の種類③ シート防水)」をご覧ください。
アスファルト防水
- 費用相場:10,000円〜15,000円/㎡
- 耐用年数:5〜10年程度
アスファルト防水は、アスファルト特有の防水性と接着性を利用して、建物の屋上に防水施工を行う工法です。
耐用年数が高くとても頑丈なため、古くから利用され続けられており、高い信頼性があります。
ただ、新築の時以外は施工しない場合が多く、工事も大掛かりになるため、改修・修繕工事にはあまり適してません。他の工法と比べると費用が高くなるのも注意したい点です。
アスファルト防水は主に3つの工法があり、220度〜270度まで加熱して溶解されたアスファルトを利用する「熱工法」、改質アスファルトルーフィングというシートを重ねる「常温粘着方(冷工法)」、アスファルトをガスバーナーで炙りながら貼り重ねていく「トーチ工法」があります。
屋上防水工事後のメンテナンス・点検のポイント
屋上は多くの方が、日常生活においてなかなか目にすることがない場所です。
見えにくい部分であるがゆえに、現状が分かりづらく、気がついた時には劣化が進んでいる…というケースがあるため、屋上の定期的なチェックを意識付けしていくことが大切です。
ここでは、屋上防水の工事後に行う、メンテナンス・点検ポイントを3つ紹介します。
排水口周りにあるゴミの撤去や清掃はできているか
雨が降った時に、屋上から地上へ水を排水する役割がある排水口。
この排水口にはストレーナーと呼ばれる蓋がつけられており、ゴミが入るのを防ぐ役割があります。 排水口の中にゴミが入るのは防げますが、排水口周りの落ち葉や土、ビニールなどのゴミは人の手でしか撤去できません。
そのため、定期的な清掃が必要となります。 ゴミが詰まりうまく排水が行われず、排水口周りに水が溜まってしまうと、ストレーナーにサビが生じやすくなるほか、屋上から地上へ水を排水する管や溝の劣化に繋がり、結果として、防水層の劣化スピードを早めてしまいます。
水溜りができていないか
経年劣化で下地が傾いたり変形したりすると、雨が降った後、屋上に流れ込んだ水がうまく排水されず、水溜りへと繋がります。
また前述した、排水口周りのゴミや落ち葉が溜まるのも、水溜りができる原因です。長時間水はけが悪い状態だと、屋上の防水層の劣化を早めてしまいます。
雑草が生えていないか
屋上にはえる雑草は、防水層の劣化のサインです。 屋上や排水口周りには適度な水分や養分があるため、風で飛んできた種子が成長し雑草が生えることが多く、植物にとっては格好の成長場所です。
屋上は地上からは見えにくい部分ですし、植物はあまり害のないイメージがあるため、放置する方が見受けられますが、長く放置すると防水層が劣化し雨漏りへと繋がります。
雑草の茎や根は非常に強く、根が防水層まで達して、破断させることがあります。また、根が壁などに貫通してしまった場合は、雑草を抜いた後に穴が残る可能性があります。
抜いても根が残っている雑草、大きな植物が生えてしまった場合は、なるべく早めに屋上点検を依頼することをおすすめします。
屋上の防水工事は白鳳にお気軽にご相談ください!
屋上防水の工事には4つの工法があり、屋上の防水の効果を永続的に保つには、定期的なチェック点検や修繕工事が大切だということを解説してきました。
防水工事のメンテナンスは数年間隔で発生するため、信頼性が高く確かな実績のある業者に依頼することが大切です。
白鳳は、建物の状況や予算に応じた修繕計画のアドバイスを行い、常にお客様に寄り添った防水工事を実現します。
どんな小さなことでもお気軽に。ぜひ白鳳にご相談ください!